飼い猫が血を吐いた。

名前は「あるふぁ」。家に来てから7年余り。
4匹居た兄弟、あるふぁ、ぶらぼー、ちゃーり、でるた、それらの最後の一匹。
既に老年に達しているため、仕方ないとは思っていてもやはり慣れないもの。
まだ生きているが、多分夏は越せないかもしれない。明日の朝日を見れないかもしれない。
それだけ、吐いた血から漂っていた匂いに、死が見て取れた。
 
あるふぁの血筋は新しく生まれている。
親猫をなだめすかし、玄関で遊ばせてる。
ちょんちょんころころ、ちょんちょんころころ。
生と死は、田舎でも容赦なく溢れている。
子猫達が成人し、天寿をまっとうすることを祈りながら、俺はあるふぁの背をなでた。